石手寺の御利益

  子授け石

 石手寺大師堂の右手に訶梨帝母天堂があります。子授けの神様です。ここの石を持って帰れば、必ず子が授かるといいます。実際、多くの方が恵まれています。ただし、その後子を可愛がったかどうかは知りません。
 訶梨帝母(鬼子母神)は五百人の子供の母でしたが、しばしば人の子をとって食っていました。困り果てた村人がお釈迦さんに相談すると、お釈迦さんは彼女が一番可愛がっていた末の子の愛奴を隠してしまいます。ハーリーティは気も狂わんばかりにその子を探し回るが見つかりません。そこにお釈迦さまが現れて言いました。
「何をそんなに悲しむのでしょう。あなたは今まで何百の子を害してきたではないでしょうか。この苦しみ、母の苦しみはだれにとっても同じでしょう。殺すものは殺されることを耐えるべきものです」と。
 ハーリーティは言います。「何でもします。わが子を返してください」。お釈迦さんは言います。
「ならば、今まで殺した命をもとに戻し、その母たちの悲しみをもとに戻すが良いでしょう」。
「ああ、私は取り返しのつかないことをしてしまいました。いま、私には他人の子が自分の子に見え、他人が自分と同じ母であると知りました。私はその尊い心がやっと分かりました。その心で子供を大事にします。」
 その後、ハーリーティは改心し子を守る母仏となったといわれます。 子を持つということは、かわいいものを持つこと、それは大事なものを感じるということです。命を大事にするということであります。その心を持つ時、必ず誰にでも子は授けられるとは意味の深いことです。
 真言はオン・ドドマリ・ギャキティ・ソワカ。種子はウーンです。

衛門三郎の再生石と家内安全世界平和
 強欲非道はまことに罪深く他を痛めつけ自分を損ないます。石手寺の弘法大師に祈ることは我欲を鎮め反省し、他者の痛みを知って生類を大切にし家内安全、世界平和につとめることです。お寺の常燈明には広島原爆平和の灯がともり広島平和資料館の元館長さん曰く「平和とは人間の痛みが分かること」と聞こえます。
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