理趣経百字の偈
至福への力ある菩薩は独り平安に耽溺せず、全ての有情が救われる日を夢見て、人々と苦を共にする。
心に描くことも働きかけも仏陀の智慧を得るなら、行くべき道を正しく選び、欲望を制して、傷害なく苦しみを離れる。一切の苦を除く清浄なる修行を目的とするから、世俗に塗れても戒律を犯えず、自発的に生きる喜びに満ちる。泥に咲く蓮のように、欲望と罪悪の汚泥に呼吸しながら、それを改変して安楽を咲かせる。
人々を平和にし幸福にする目的に生きる者は、闘争餓鬼の六道のなかにあって、ぶつかり合わず、奪い合わず、罪と苦しみを作らず永遠である。
世界平和への意思は大欲であり、大安楽へと到る。その意思力こそ、欲の世界、物の世界、意識の有無を問わず、国境や宗教や差別や、あらゆる障壁を超えて、あらゆる所に自在を得る。我が身を顧みず、勇猛果敢に、その目的を実現して倦まない。